
FXをしていると「CFD取引」や「先物取引」などの言葉を聞いたことがあると思います。なにやら難しいそうな感じがしますが、普段行っているFXと同じ要領で取引をする事が可能です。ただし、うかつに手を出すと痛い目を見る恐れがあるので、予めどういったものなのか把握しておきましょう。
ここではCFDと先物の違いを説明し、取引をする上での注意点などを解説していきます。
CFD取引とは
CFDとは”Contract For Difference”の略で、日本語では「差金決済取引」と言います。仕組みはFXと同じように、取引の結果生じた損益の受け渡しを口座内で行う取引となっています。
「差金決済ならFXじゃないの?」と思う方も多いと思いますが、以下の表のように取り扱い商品が異なります。
FX | CFD |
---|---|
外貨のみ | 外貨・株式指数・商品(金や原油、天然ガスなど) |
CFD取引では、外貨を含むその他商品や株式指数などとの取引を指します。大きなくくりではFXですが、FXの中でも”CFDというジャンルがある”という認識で大丈夫です。
銘柄が豊富
CFD取引では通貨ペアの取引とは一味違う、様々な商品と取引が可能です。「原油」や「天然ガス」、「金(ゴールド)」や「銀(シルバー)」などの商品から、「日経平均株価」や「ダウ平均株価」、「S&P500」など主要株価指数を始め多くの対象から選択できます。
長期保有できる
CFD取引ではFXと同じようにポジションの長期保有が出来ます。逆に先物取引では取引期限が決まっており、長期保有をする事ができません。
取引手数料が発生しない
CFD取引では取引手数料は発生しません。逆に先物取引では1単位あたりの取引手数料が発生します。ただしCFD取引ではFXと同じようにスプレッドが発生する為、スプレッドの狭い業者で行うのがお勧めです。
先物取引とは
先物取引とは、将来の売買について約束をする取引のことです。あらかじめ売買の価格や数量を約束しておき、約束の日が来た時点で売買が行われます。事前に売買の価格を決められる為、レート変動リスクを避ける事ができます。
ただし、決済の期限が決まっており、含み損を抱えていたとしても、期限日が来たら何があっても決済しなければなりません。(期限切れの場合はその時点で自動決済されます。)
ある程度の資金が必要
先物取引では、銘柄により異なりますがCFD取引と比較しても10倍~100倍の取引単位となっており、ある程度の資金が必要になってきます。小額の資金から始めようとしている方にはおすすめしません。
取引の透明性は高い
先物取引では取引形態が取引所となっており、取引所を通してトレーダー同士で売買をする事ができます。
CFD取引と先物取引の違い

それでは二つの取引を比較して見てみましょう。
決済期限について
CFD | 先物 |
---|---|
決済期限なし | 決済期限あり |
二つの取引における最大の違いはこの「決済期限」の有無でしょう。CFD取引では決済期限がないのでポジションを長期保有をすることが出来ます。
しかし先物取引では予め決済期限が決まっており、含み損を抱えていたとしても決済しなければなりません。レート変動リスクがないのが先物取引のメリットですが、決済期限に関してはデメリットでしょう。
必要な資金について
CFD | 先物 |
---|---|
少ない | 多い |
CFD取引ではポジションを保有する際の証拠金が少なくて済む為、少額の資金からでも取引が可能です。
一方先物取引では保有する際の証拠金がある程度必要になってくる為、少額の資金では始めたい方には向きません。
取引時間について
CFD | 先物 |
---|---|
長い | 短い |
あくまでも”ふたつを比較して”という事になりますが、CFD取引は先物取引に比べて商品が売買できる時間が長くなっています。もちろん業者や銘柄によって売買可能時間は異なりますが、トレードの面ではCFD取引の方が有利と言えます。
取引コストについて
CFD | 先物 |
---|---|
スプレッド | 手数料 |
CFD取引ではFXと同じように買値と売値の価格差、つまりスプレッドが取引コストとなります。
一方先物取引では1単位あたりの取引手数料が発生する為、注意が必要です。
初心者におすすめなのは断然CFD取引
以上を踏まえた上で、初心者の方におすすめできるのは断然CFD取引です。
CFD取引では必要な証拠金の額が少ない為、少額の資金から始める事ができます。またレバレッジも低くなっており、想定と異なる値動きをした際の損失も少なく抑えられます。
そしてFXと同様に、商品を長期保有することができます。先物取引のように決済期日が近付いてきて慌てて取引をして失敗する、というようなことがないので落ち着いた状態でチャートと向き合えます。
長期保有のメリットは多々ありますので、まずはゆったりと初めてみてはいかがでしょうか。
まとめ
少額の資金から始められ、ローリスクで取引をしたいならCFD取引がおすすめです。一方、四の五の言わず先物で大きく稼ぎたい方は先物取引もアリかと思います。ただし先物取引は大きな利益が狙える分、同じように損失も大きくなりますので資金管理には十分に注意をしてください。