
為替FXではふたつの通貨ペアを選んでトレード(売買)をします。通貨ペアは非常に沢山の種類がありますが、初心者のうちは1つか2つ程度に通貨ペアを絞ってトレードをする事をおすすめします。
複数の通貨ペアでトレードをするとチャートを確認するタイミングも多くなり、判断ミスからエントリーミスや決済ミスを生む可能性があります。初めのうちは取引をする通貨ペアを絞り、その通貨ペアの値動きの癖のようなものを掴んでいく事が非常に重要です。
ここでは初心者の方におすすめな通貨ペアの選び方や、危険な通貨ペア、そしておすすめの通貨ペアを5つ紹介します。
初心者におすすめな通貨ペアの選び方
初心者の方が通貨ペアを選ぶ時に気をつける事はただひとつ。「取引量が多い」通貨ペアを選ぶことです。
取引量が多い通貨ペアはボラティリティ(値動き)が狭くなりやすく、沢山のトレーダーがそのチャートを見ている為、トレンドラインやブレイクアウト手法などのテクニカル分析がよりハマりやすくなります。
「ボラティリティが狭いって事は対して稼げないんじゃ?」と思った方もいると思いますが、少し誤解があります。たしかに短期間のトレードではあまり利益は出ないと思いますが、取引量が多い通貨ペアはトレンドも長く続きやすい傾向にある為、うまくトレンドの波に乗る事が出来れば非常に大きな利益を得る事も可能なのです。
また、取引量が多い通貨ペアは各FX業者でスプレッドが狭くなる傾向にあり、トレードの面でも有利になります。スプレッドが狭ければ狭いほど利益に転じるのが早く、スプレッドが広いと含み損を抱えた時間が長くなるでしょう。
そして明確に定義されている訳ではありませんが、各通貨は「メジャー通貨」と「マイナー通貨」に分類されています。メジャー通貨の方が取引量が多く、ボラティリティは狭くなる傾向にある為、安定したトレードが見込めます。
初心者の方は以下のようなメジャー通貨の中から通貨ペアを選択しましょう。
メジャー通貨 |
---|
米ドル(USD) ユーロ(EUR) 円(JPY) 英ポンド(GBP) 豪ドル(AUD) カナダドル(CAD) ニュージーランドドル(NZD) スイスフラン(CHF) |
初心者は避けたい危険な通貨ペア
初心者の方がトレードすべきでない通貨ペアは上記の逆で、「取引量が少ない」通貨ペアです。
取引量が少ない通貨ペアはボラティリティ(値動き)が広くなりやすい傾向にあります。取引量が少ないと値動きが予測しにくく、少ないトレーダーが少し売買しただけでチャートが大幅に上下してしまいますのでテクニカル分析がハマらない事も多々あります。
初心者の方は以下のようなマイナー通貨が入った通貨ペアは避けましょう。
マイナー通貨 |
---|
トルコリラ(TRY) シンガポールドル(SGD) 南アフリカランド(ZAR) メキシコペソ(MXN) 中国人民元(CNH) 香港ドル(HKD) |
初心者のおすすめの通貨ペア5選
ここまで来たらもうお分かりかと思いますが、初心者におすすめの通貨ペアは、「メジャー通貨」同士かつ「取引量の多い」通貨ペアです。
Rank | 商品(銘柄) |
---|---|
![]() | ![]() ![]() ユーロ/米ドル (EUR/USD) |
![]() | ![]() ![]() 米ドル/日本円 (USD/JPY) |
![]() | ![]() ![]() 英ポンド/米ドル (GBP/USD) |
![]() | ![]() ![]() 豪ドル/米ドル (AUD/USD) |
![]() | ![]() ![]() 米ドル/カナダドル (USD/CAD) |
No.1 ユーロ/米ドル(EUR/USD)
「ユーロ/米ドル」は世界で最も取引量が多い通貨ペアです。
日本市場が開く朝から昼過ぎまでは比較的おとなしい傾向にあり、ヨーロッパ市場が開く夕方、ニューヨーク市場が開く夜には取引が活発になります。世界で見ればトレードしている人数が圧倒的に多い為、インジケーターなどのテクニカル分析が良く反応し、値動きが掴みやすいのが特徴です。
No.2 米ドル/日本円(USD/JPY)
「米ドル/日本円」は日本の方の8割が取引していると言われる通貨ペアです。
取引量も実は世界で2番目に多く、日本市場が開く朝から昼過ぎまで活発に取引される傾向にあります。日本の方であればニュースなどで経済情報が入手・把握しやすく、経済指標対策にもなる為おすすめです。レンジ相場が多い通貨ペアですので値動きが予想しやすく、レンジ相場で稼ぐタイプのトレーダーには相性が良いでしょう。
No.3 英ポンド/米ドル(GBP/USD)
「英ポンド/米ドル」は比較的値動きが大きくなる通貨ペアです。
ヨーロッパ市場が開く夕方、ニューヨーク市場が開く夜には取引が活発になります。この通貨ペアは一度発生したトレンドが長続きしやすく、うまく波に乗れれば大きな利益を上げることも可能です。
また、「英ポンド/米ドル」と「ユーロ/米ドル」の値動きを比較し、ユーロとポンドどちらが強いかを見極め「ユーロ/英ポンド」で取引するといった手法もあります。
No.4 豪ドル/米ドル(AUD/USD)
「豪ドル/米ドル」も比較的値動きが大きくなる通貨ペアです。
ニューヨーク市場が開く夜に特に活発になります。ドルが絡んでいる為流通量も多く、トレンドの波に乗れれば大きな利益を上げる事も十分に可能です。オーストラリアの経済指標などもチェックした方が良いでしょう。スプレッドは上位3位までと比較すると広くなりがちです。
No.5 米ドル/カナダドル(USD/CAD)
「米ドル/カナダドル」比較的値動きが大きくなる通貨ペアです。
ドルが絡んでいる為ニューヨーク市場が開く夜に特に活発になります。カナダの経済指標などもチェックした方が良いでしょう。スプレッドは上位3位までと比較すると広くなりがちです。
初心者はドルストレートを選ぼう
ドルが絡む通貨ペア、上記5種類は「ドルストレート」と呼ばれています。ドルは最も取引量が多く信頼性の高い通貨になりますので、世界中で取引されていますので安定したトレードがしやすい傾向にあります。初心者の方はドルを含むメジャー通貨同士の通貨ペアを選ぶ事をおすすめします。
また、各業者毎のスプレッドも事前に確認しておきましょう。
まとめ
成功した多くのトレーダーは扱う通貨ペアを数種類に絞ってします。初心者のうちはトレードの機会を逃すまい!と、色んな通貨ペアに手を出しがちですが、多くのポジションを持って資金管理が出来なくなったり、チャートを見比べ過ぎて売買ミスにも繋がりますので、慣れるまでは扱う通貨ペアは1~2種類に留めておきましょう。