
ドローダウンとは、保有している資産の”下落率”のことを指します。FXではEA(自動売買システム)などでよく聞く言葉で、投資資産に対し何%の下落まで許容するかを設定し、含み損をどれだけ容認するかを意味します。最大ドローダウンを大きく設定すればするほどリスクとなりますが、逆に大きなリターンを狙うことも出来ます。
ここではドローダウンを詳しく説明しながら、その意味や計算方法なども解説していきます。
ドローダウンについて
ドローダウンの定義は下落率です。FXトレードでEA(自動売買システム)を行う際、MT4やMTなどの取引ツール(プラットフォーム)上でEAと呼ばれるプログラムを動かします。この時、ドローダウン(下落率)が非常に重要になります。自動売買でトレードをしようと思っている方は是非チェックしてください。
そしてドローダウンは、様々な局面で使われます。
ドローダウンの継続
資金が減少している状況は「ドローダウンの継続」を意味しています。
ドローダウンを抜けた
資金が過去最高額に増えている状況は「ドローダウンを抜けた」を意味しています。
ドローダウン期間
ドローダウンを抜け出すまでの期間を「ドローダウン期間」と呼びます。
最大ドローダウンとは

ドローダウン期間の中でも最も下落率が高いものを「最大ドローダウン」と呼びます。EA(自動売買システム)を選択する際、この最大ドローダウンが確認できる為、しっかりと確認しておきましょう。そのプログラムで自動売買を行った際、最大でどのくらいの損失まで許容しているのかが分かります。
EAを選択する場合、「収益率」の高いものに目が行きがちですが、この「最大ドローダウン」も重要な要素ですので見逃さないようにしましょう。収益率が高くても最大ドローダウンが大きい場合、利益よりも損失が上回ってしまう可能性があります。
実際にEAを運用してからもドローダウンは定期的に確認するようにしましょう。なぜなら大きなドローダウンの継続は大きな損失を招く可能性があるからです。値をカスタマイズして調整するか、別のEAを選択するなどの対策が必要です。
ドローダウンはどれくらい許容すべきか

EA(自動売買システム)を利用する以上、ドローダウンは避けては通れません。どんなに優秀なプログラムであったとしても、相場は予測不可能なものであり、ドローダウンは必ず発生するはずです。
その時に、”どの程度までドローダウンを許容するか”、つまり”ドローダウンが○%を超えたらEA(自動売買システム)を停止する”という事を予め決めておかなければなりません。
トレーダーのスタイルによっても異なりますが、一般的に許容できるドローダウンは【20~30%】とされています。
ドローダウンが大きいEAは大きな損失を招く可能性がありますが、大きな利益をあげる可能性もあります。自分のスタイルに合わせてドローダウンの許容範囲は決めておくことをおすすめします。
長期的な安定を求めるなら、ドローダウンを【10~20%】まで落とすのもいいでしょう。
ドローダウンを小さくする方法
ドローダウンを小さくしたい場合はロットを減らしましょう。
トレードする際、ロットを減らすことで損切り時の損失を減らすことができるため、結果的にドローダウンを小さくする事ができます。
利益を狙い大きなロットでトレードをすると急激な相場の変動により大きな損失を被る可能性があります。自分の資金と相談しながら、適切なロットでトレードをしていきましょう。
ドローダウンの計算方法

ドローダウンの計算式は以下の通りです。
ドローダウン(%)=損失額÷資金×100
①たとえば10万円の資金が5万円に減少したとします。この時のドローダウンの計算方法は【ドローダウン=(10万円-5万円)÷10万円×100】となり、ドローダウンは【50%】となります。
②その後15万円まで資金が増加し、13万円に推移したとします。この時のドローダウンの計算方法は【ドローダウン=(15万円-2万円)÷10万円×100】となり、ドローダウンは【30%】となります。
①と②のドローダウンを比較すると①の方が大きいため、【最大ドローダウンは50%】となるのです。
まとめ
ドローダウンは資金がどのくらい減少したかを表した下落率(%)です。EA(自動売買システム)では必ずチェックすべき項目ですので覚えておきましょう。利益率も大事ですが、ドローダウンの小さいEAを選ぶよう心掛けていると大きな負けを繰り返さないかもしれません。そして長期的な安定を目指すのであれば、定期的にドローダウンをチェックする事でリスク管理をしっかりとしていきましょう。