追証(おいしょう)が払えない場合の対処法は?追証が発生する仕組みと追証の防ぎ方

追証(おいしょう)が払えない場合の対処法は?追証が発生する仕組みと追証の防ぎ方

追証(おいしょう)とは、「追加保証金」の略称で、含み損が膨らみ証拠金維持率が下がることにより発生します。国内FXの場合、金融庁の規制により業者側が「トレーダーの損失を補填すること」を禁止しています。

そのため、口座残高が-10万円となってしまった場合、損失を補填するため自分で10万円を入金しなければなりません。国内FXでは想定外の値動きによって、いきなり借金を背負ってしまう可能性があるのです。

ここでは追証が払えない時の対処法と、追証が発生する仕組みを解説し、追証の防ぎ方を紹介します。

追証とは?発生する仕組みを解説

追証はなぜ発生するのでしょうか?通常のトレードであれば含み損が膨らみ業者毎に決められた証拠金維持率に達すると自動的にロスカットされますが、政治的要因や重要な経済指標時など、急激な値動きは起こった際にロスカットが間に合わず、ロスカットラインを超えて決済されてしまう場合があります。

実際にはロスカットが間に合わない事はそうそうありません。しかしリーマンショックやスイスフランショックなど、通常では考えられないような値動きが起こった場合に追証が発生する可能性が高くなります。そうした場合、大抵は大きな借金を背負うことになってしまうのです。

「相場が大きく動いた翌日は電車が止まる」なんて話を聞いたことがある方も多いかもしれませんが、追証はそれだけ人を一瞬にして地獄の底に叩き落とす恐ろしい仕組みなのです。

追証が発生した時はどうすればいい?

追証が発生した時にトレーダーに出来ることは以下の2つです。

  • 入金をする
  • 保持しているポジションを決済する

それぞれ詳しく見ていきましょう。

入金をする

追証が発生し口座残高がマイナスになった場合、FX業者から入金を促す電話やメールが来ます。口座残高が-10万円となってしまった場合、損失を補填するため自分で10万円を入金しなければなりません。仮に口座残高が-100万円となってしまった場合、損失を補填するため自分で100万円を入金しなければなりません。

そして追証に対する入金には期限が設けられており、業者によって異なりますがおよそ3日以内に入金しなければいけません。

保持しているポジションを決済する

追証が発生したとしても、他にポジションを保持しておりそのポジションが含み益が出ている場合、そのポジションを決済することでマイナスを減らすことができます。

また、有効証拠金が証拠金維持率を上回るまでポジションを決済することで、追証が解消される場合もあるため、ポジションの決済はひとつの対策として覚えておきましょう。

追証の発生後、期日までに入金ができなかった場合は、業者によって異なりますが数日のうちに全てのポジションが強制的に決済されます。

追証が払えない場合はどうなるのか

追証が発生すると、金融機関に借金をしているのと同じ扱いになります。借金を完済するまで返済の催促が続くため、精神的に辛い時期が続きます。具体的には以下のような措置が取られます。

  • FX業者から催促されてしまう
  • 取り立てられてしまう

それぞれ詳しく見ていきましょう。

FX業者から催促されてしまう

期日までにマイナス分を補填する入金ができなかった場合、FX業者から電話やメールでの催促が始まります。期日までに返済できなかった場合は、「遅延損害金」が追加で請求される場合もあるため注意が必要です。FX業者によって異なりますが、年10%を超える遅延損害金が発生する場合もあります。

取り立てられてしまう

FX業者からの電話やメールの催促に応じない場合、取り立てをされることになります。マイナス分を補填する為、家や車などの財産を売却し現金を作る必要があります。

ただし、取り立てのフェーズに入る時はすでにトレーダーの信用調査を行っており、取り立てが無駄だと判断される場合は請求を諦めることもあります。とは言え金融機関に借金をしているのと同じ扱いのため、借金は返済するよう心掛けましょう。

追証が払えない場合の対処法

追証が支払えない場合の対処法としては以下の3つの方法があります。

  • 分割での返済を相談する
  • 債務整理をする
  • 訴訟を起こす

それぞれ詳しく見ていきましょう。

分割での返済を相談する

基本的に追証に対する入金は一括で行わなければなりませんが、数日に数十万~数百万となるとお金を作るのも難しい方も多いのではないでしょうか。

そんな場合は一度FX業者に分割での返済が可能か相談してみましょう。業者によって異なりますが、誠意を持って返済をする意思を見せれば柔軟な対応をしてくれる場合があります。

債務整理をする

追証で抱えた借金が支払えない場合、「債務整理」を行うことも視野に入れましょう。債務整理は主に「自己破産」、「任意整理」、「個人再生」があり債務整理を行う事で借金を無くす事もできます。

このうち「自己破産」については、通常”ギャンブルで作った借金で債務整理はできない”とされています。しかし株取引やFXなどの信用取引であれば債務整理が可能です。

ただし、”債務整理を行った”という情報が信用情報に残るため、その後数年間はクレッジットカードの作成やローンを組むことが難しくなりますので注意が必要です。

訴訟を起こす

FX業者で口座を開設する際の規約では「追証が発生した場合、トレーダーの責任とする」といった旨の記載があります。基本的にはこの契約内容に従いトレーダー側に追証を支払う責任があります。

ただし、「ロスカットが正しく作動していれば追証は発生しなかったはず」というように、FX業者のシステム不具合を疑いFX業者を相手取り訴訟を起こす、という方法もあります。

過去、実際にそうしたトレーダー側の主張が認められ、FX業者側に賠償命令が出たケースもあります毛契約上、裁判で勝てる可能性は低いですが、FX業者側に明らかな不正や過失、不備がある場合は訴訟も視野に入れることをおすすめします。

追証を防ぐにはどうすればよいか

では追証を防ぐにはどうすれば良いのでしょうか。主に以下の3つの方法があります。

  • レバレッジをかけない
  • ロスカットの前に損切りをする
  • 海外FX業者を利用する

それぞれ詳しく見ていきましょう。

レバレッジをかけない

そもそも追証はレバレッジをかけなければ発生しません。

たとえば1ドル100円を1,000通貨保有するとします。レバレッジをかけない場合、(100×1,000)で取引に必要な資金は10万円となります。これが仮に1ドル70円になったら口座の残高は7万円に、1ドル30円になったら口座の残高は3万円に、1ドル0円になったとしても、資金が0円になるだけで追証は発生しません。

このように、レバレッジを大きくかけるとその分追証のリスクは高まります。そのため、国内FXでは金融庁の規制により「レバレッジは25倍まで」と定められているのです。レバレッジを抑えてトレードをすることで、追証のリスクは大きく抑えられるのです。

ロスカットの前に損切りをする

「もう少し待っていれば反転するはず……」と根拠もなくポジションを保持し続け、結果的にロスカットとなってしまうケースは多々あります。追証を防ぐには逆指値注文を入れておき、もしもの場合に備えましょう。

潔く損切り設定をしておくことで、仮にレートが荒れて急変したとしても、設定した損切りラインで決済され損失を少なく抑えることができます。場合によってはスリッページが発生し、設定した損切りラインで決済できない場合もありますが、ロスカットをされてしまうよりも早く決済できるでしょう。

海外FX業者を利用する

「レバレッジもかけたいし、追証も支払いたくない!」そんな方は海外FX業者でトレードをしましょう。

海外FX業者のほとんどが「追証なし」を謳っており、含み損が膨らみ口座残高がマイナスになったとしても、自動的に0に戻してくれる(業者側が損失を補填してくれる)「ゼロカットシステム」を採用しているため、借金を背負う心配はありません。

海外FX業者はなぜ追証がないのか

そもそも海外FXでは日本の金融庁の規制は関係がないため、FX業者側がトレーダーの損失を補填する事はなんの問題もないのです。それにしてもトレーダーの負債を補填していたら業者は赤字になるのでは?そう思った方もいると思います。

しかし、海外FX業者は追証を無くすことでトレーダーの不安を取り除き、安心してトレードをしてくれる、借金を背負う可能性がある為敬遠していた人もFXでトレードをしてくれる、そうした方が儲かることに気付いたのです。

実際に「追証なし」の効果は絶大で、世界中のトレーダーが相場に参加するようになりました。海外FX業者側もトレーダーの取引で得られる手数料で、損失を補填したとしても十分に利益が出せているのです。そうした経営手段で十数年以上安定して運営している業者がたくさん存在しているため、安心してトレードをすることが出来るのです。

海外FXでは約定率や約定スピードなど、約定力が高い業者が多数存在しています。トレーダーの思い通りのトレードができるため、約定力の高い業者を選びましょう。

まとめ

追証は一瞬にして人生を変える可能性があり、借金を背負うリスクがあります。追証を防ぐにはレバレッジを低く設定するか、損切り設定をするか、海外FX業者でトレードをするか、です。追証がないトレードは実に快適で、精神的な安定も見込めます。万が一追証が発生した場合でも、上記の対処法で対処してみてください。

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