
ポジポジ病とは、FXにおいて常になんらかのポジションを持っていないと落ち着かない心理状態にいることです。特に根拠がないのに機会損失を恐れエントリーをしまくり、ポジションを持つ事で安心してしまう危険な状態です。常にポジションを持つ事は大きな損失を抱えてしまう可能性が高まる為、一刻も早く考えを改める必要があります。
ここではFX初心者が特に陥りやすいポジポジ病を克服する方法をお伝えします。
ポジポジ病がなぜ危険なのか

ポジポジ病は損失が膨らみやすい為、すぐに改善する必要があると言われています。ではなぜポジポジ病が危険なのか、詳しく見ていきます。
無駄な取引をしてしまう
特にFXを始めたばかりの初心者がかかりやすいと言われているポジポジ病ですが、チャートの値動きを見ていると常にチャンスだと感じてしまい、頻繁にトレードを繰り返してしまう傾向にあります。
根拠が強い所でのエントリーは良いのですが、根拠が弱い所でエントリーをしてしまうと当然損失を抱えるリスクが高まります。ポジポジ病になると少しのチャートの値動きでも敏感になり、正常な判断が出来なくなっている可能性があります。
あえて「無駄な取引」と言いますが、こういった無駄な取引を増やしても損失が膨らむだけです。手数料がかかる口座でトレードを行っている方は特に無駄な取引は避けるべきですし、毎回の取引で発生するスプレッドも取引コストと考えると極力無駄なエントリーはするべきではありません。
エントリーの根拠が弱く損失となる場合が多い
相場に慣れていない方は、チャートを見ていると「今がエントリーチャンスなんじゃないか」と、常にチャンスと考えてしまいます。根拠は1つより2つ、3つあった方が強くなります。そこは本当にエントリーすべきポイントでしょうか。エントリーする前に一度踏みとどまって、根拠を改めて確認してください。
たとえばテクニカル分析で移動平均線の「ゴールデンクロス」が出た状況でエントリーしたとします。ですが、だましや調整などで予想と逆行する事は往々にしてあります。トレンドラインや反発しやすいラインに水平線を引いたり、チャートをしっかりと分析しエントリー根拠をしっかりと確認する事が大切です。
なぜポジポジ病になってしまうのか

初心者に多いポジポジ病ですが、実は慣れてきた中級者や上級者でさえもポジポジ病になってしまう可能性があります。ではなぜポジポジ病になってしまうのか、詳しく見ていきます。
機会損失だと思ってしまう
チャートを見ていて値が大きく動いた時、「あの時にトレードしていれば……」と思ったケースはあると思います。FXで利益を上げた事がある方は分かると思いますが、ポジションを持っていない時間は「利益を出すチャンスを逃しているのでは……」と思ってしまいます。
多くの方はそんな「利益を逃したかも……」という機会損失を非常に恐れます。そういった感情が根拠が弱いポイントでもエントリーさせ、負けトレードが多くなり損失が大きくなってしまうのです。
損失を取り戻したい感情が優先してしまう
FXでは損失を出さずに利益だけを上げることはほぼ不可能です。プロトレーダーも億トレーダーも損失を出すことはあります。損失は誰でも出す事があるものという事を認識しなければなりません。
損失を取り返そうとしすぐに逆張りエントリーをしたり、ギャンブルのようにレバレッジを高くしてエントリーをするのはさらに危険です。損失が損失を呼ぶ悪循環になってしまうのです。
ポジポジ病を克服する方法

ポジポジ病になっている間は損失が膨らみ、利益を上げるのは難しいでしょう。ではポジポジ病を克服するにはどんな方法があるのでしょうか。
トレードルールを作る
一番大切な事は「自分なりのトレードルールを作る」ことです。「トレンドラインのブレイク、移動平均線のクロス、MACDのサイン、など3つのサインが重なった時しかエントリーしない!」など、自分がエントリーをする条件を決め、それを遵守することがポジポジ病を克服することに繋がります。
根拠の強いエントリーポイントは1日のうちに何度も出現しないでしょう。ただ、それが勝率を高める一番の手法であり、無駄な負けトレードを増やさないことで利益を積み上げていく事ができるはずです。
トレードルールは必ず複数の条件を組み合わせて作りましょう。様々な条件が重なるポイントはやはり根拠が強くなりますし、相場もそのように反応する可能性が高いでしょう。また、「相場が荒れやすい経済指標発表時などのトレードを避ける」なども立派なトレードルールの1つです。
長期トレードをやってみる
初心者の方に特に多いのが、「早く利益を上げたいから」といって頻繁にトレードを繰り返す行動です。これはスキャルピングと呼ばれ、数秒~数分でトレードを行う超短期トレードの取引スタイルです。実はポジポジ病の方はスキャルピングを多用する傾向にあると言われています。
そこで一度長期目線でトレードを行う事をおすすめします。短期トレードは上がるのも下がるのも一瞬です。上下する値動きに一喜一憂し、正常な判断ができなくなりポジポジ病から抜け出せなくなってしまってはいけません。少しのロットで、少しの値動きで動じない長期トレードを検討してみてください。
チャートに張り付かない
長期トレードもおすすめですが、利確、損切りのラインを決め、決済ポイントを決めておくのもおすすめです。値動きが気になりチャートに張り付いて、そのランダムな値動きに振り回されてしまってはいけません。
ポジションを持ってしまったら値動きが気になると思いますが、エントリー時やエントリー後に決済値を指定しておき、自動で決済されるまで放置しておくのも精神面が鍛えられます。
トレードノートを記録する
自分がエントリーしたポイントのチャート画像や、なぜそこでエントリーしたのか、なぜそこで決済したのかなど、トレードの記録を取る事は非常に重要です。
トレード履歴を振り返り、「この条件でのエントリーは負けている事が多いな」など、気付けなかった自分のトレードのクセや、そこから自分に合ったトレードスタイルを見つけていくことが出来ます。初心者の方は騙されたと思って、是非トレードノートをつけてみてください。トレード結果は驚くほど変わっていくはずです。
まとめ
ポジポジ病は初心者に特に多いですが、状況により誰でも陥る心理状態です。克服には少しの値動きの上下では動じない強靭なメンタル・相場感が必要ですが、トレードルールを作成しトレードノートを記録していくことでどちらも鍛えられます。ポジポジ病でお悩みの方はぜひ一度お試しください。