
リクオート(再約定)とは、トレーダーが注文した時の価格で約定されず、FX業者から希望額と同等か、それよりも低い価格での約定を提示される事です。
たとえば1ドル100円の買いポジションを保有しており、値が上がり102円となった為利益を確定させようと決済注文をした際、FX業者に拒否されて101円を提示される、といった現象です。リクオートはせっかくの利益が減ってしまう可能性が高く、場合によっては損失が発生することもあります。
ここではリクオートが発生しない海外FXの仕組みとおすすめ業者の紹介、そしてオフクオートとの違いを説明します。
リクオートはなぜ発生するのか

リクオートが発生する原因は、急激な相場変動によりレートの騰落が激しくなったり、それによりスプレッド(買い値と売り値の価格差)が広がること、と言われています。特に世界情勢や政治的要因・経済指標の発表など、大きな出来事が起こると相場が荒れる傾向にあり、リクオートも発生しやすくなります。
では何故相場が荒れるとリクオートが発生しやすくなるのか…
それは、そもそもの取引方法が「トレーダーとインターバンク市場の直接取引」ではなく、「トレーダーとFX業者の相対取引」になっているからです。前者はNDD方式、後者はDD方式と呼ばれており、リクオートが発生するのはDD方式を採用している業者が多いと言われています。
そして国内FX業者はDD方式、海外FX業者はほとんどがNDD方式を採用しています。
DD方式ではトレーダーの注文を業者が受け、インターバンク市場に流します。ただ実際にインターバンク市場に流しているかどうかをトレーダー側が確認する術はなく、業者側で注文を飲む(いわゆる呑み行為)可能性も否定できないのが実情です。
その点NDD方式ではトレーダーの注文がほぼ確実にインターバンク市場に流れる仕組みになっており、取引における透明性が高いのです。
では何故国内FX業者は透明性の高いNDD方式を採用しないのでしょうか?それは収益スタイルの違いにあります。以下表は国内FX業者と海外FX業者の収益スタイルの違いです。
国内FX業者 | 海外FX業者 | |
---|---|---|
収益モデル | トレーダーの損失 | トレーダーの利益 |
海外FXでは”追証なし”の「ゼロカットシステム」やNDD方式など、トレーダーにとって非常に嬉しい環境でトレードが出来ます。なぜなら環境が良ければトレーダーが集まり積極的にトレードをしてくれます。その取引手数料で海外FX業者は利益を得ているのです。つまりトレーダーが儲かれば儲かるほど取引が増え業者も潤う、という訳です。
一方国内FX業者ではスプレッドなどの取引コストが非常に安く、その点はメリットでもありますが、取引の透明性という観点で見ると正直微妙です。そして収益モデルは海外FX業者とは逆で、トレーダーの損失がFX業者側の利益となる構造の為、利益相反の関係にあるのです。
通常のトレードであればレートの動きよりもトレーダーの決済注文の方が早いため、リクオートは起こりませんが、急激な相場変動によりトレーダーの注文を一斉に受けるFX業者側が対応しきれなくなり、また損失を嫌い、注文した価格では決済せず、トレーダーに不利な価格を提示しているのです。これがリクオートが発生する理由です。
リクオートを防ぐには

リクオートを防ぐには以下の方法があります。
- 指値注文をする
- NDD方式を採用している業者で取引をする
指値注文をする
リクオートを防ぐ一番手っ取り早い方法は、「指値注文」です。あらかじめ決済する価格を決めておき設定しておく事で、急激なレート変動にも対応が出来ます。
成行注文ばかり行っている方は、後述するスリッページなどが発生する原因にもなりますので、指値注文を積極的に利用していきましょう。
NDD方式を採用している業者で取引をする
成行注文など、裁量トレードがメインの方はNDD方式を採用している業者を選びましょう。また、NDD方式の中でも特に「ECN方式」は最も透明性が高い取引方法です。
NDD方式には細かく分けると「STP方式」と「ECN方式」があります。海外FX業者では主にSTP方式を採用しています。以下は「STP方式」と「ECN方式」の違いです。
NDD(STP)方式とは、”Straight Through Processing”の略で、トレーダーの注文が一旦業者を経由して市場に流される方式。業者を経由するとはいえ機械的に自動処理されている為、DD方式と比べると透明性は高い。
NDD(ECN)方式とは、”Electronic Communications Network”の略で、トレーダーの注文が直接市場に流される方式。一切業者を経由しない為、DD方式はもちろん、NDD方式のSTP方式と比べて最も透明性が高い。
最も透明性が高い環境で取引をしたい方は、「NDD(ECN)方式」を選択すると良いでしょう。
オフクオートとの違い

オフクオートとの違い
オフクオートとは、トレーダーが希望した注文価格が市場に無かった時、注文が約定されず流れる事を言います。特に希望した注文価格の取引量が少ない時に発生しやすくなります。
オフクオートの場合はMT4などで注文自体が表示されず、決済注文もできない為リクオートと比べると分かりやすいでしょう。
以下は、間違えやすいリクオートとオフクオートの違いです。
リクオート | オフクオート |
---|---|
価格の再提示が行われる | 価格の再提示が行われず注文が流れる |
スリッページとの違い
スリッページとは、発注時のレートと実際に約定したレートとの間に発生するズレの事です。レートが乱高下する値動きが激しい時ほど発生しやすくなっており、トレーダーが注文をしてからFX業者側の取引システムで決済されるまでのタイムラグによる所が大きい現象です。
リクオートに非常によく似た現象ですが、スリッページは価格再提示は行われず価格がズレる、といった現象になります。
リクオートと同じく、スリッページを防ぐには指値注文が有効ですので積極的に指値注文を利用していきましょう。また、MT4の設定でスリッページの許容量を大きめに設定する、という方法も有効です。
おすすめの業者は?
「Axiory」では、【ナノスプレッド口座】または【テラ口座】でECN取引が可能です。さらにECN取引の為に設計されたプロトレーダーの愛用率も高い取引ツール”cTrader”が利用できる為、取引の透明性の高さは間違いありません。
NDD(ECN)方式を採用している「TitanFX」は、【ブレードECN口座】にて、ECN取引が可能です。こちらは超高速約定を謳っており、トレーダーからの評価も高く信頼性の高い業者ですので是非チェックしてみて下さい。
まとめ
快適な取引の邪魔になるリクオートは、トレーダーにとってデメリットしかありません。リクオートを防ぐには信頼できる業者・口座を選択することが一番の防御策です。ただ、一番有効な事は「相場が荒れている時は取引をしない」ことかもしれません。