
海外FXで「STP口座」や「ECN口座」などといった言葉を聞いた事はないでしょうか?これは口座の名前ではなく、口座のタイプ・性質を表しています。口座タイプは自分のトレードスタイルに合わせて選択する必要があり、取引コスト(スプレッドや手数料)などの違いがあることを理解しておかなければなりません。
ここでは海外FXの「STP口座」・「ECN口座」について詳しく解説していきます。優位性のあるトレードをする為に是非チェックしておいて下さい。
NDD方式に分類される「STP口座」と「ECN口座」
FX業者の取引方式で”DD方式”や”NDD方式”という言葉を聞いた事はないでしょうか?実は「STP口座」と「ECN口座」は”NDD方式”に分類されます。
NDD方式とは”None Dealing Desk”の略で、トレーダーの注文を直接インターバンク市場へ流して取引を行う取引方式のことです。トレーダーと業者とのやり取りとなるDD方式と比較して、透明性のある取引をする事ができる為、NDD方式は多くのトレーダーの支持を得ています。
では、「STP口座」と「ECN口座」の違いをそれぞれ見ていきましょう。
「STP口座」とは
STP口座とは、”Straight Through Processing”の略で、STP取引ができる口座のことです。
STP取引とは、インターバンク市場(市場に参加する複数の金融機関)が提示する複数のレートから、トレーダーにとって一番有利なレートを自動的に選択する取引の方法です。
FX業者はSTP取引で発生する「マークアップ手数料(FX業者が設定する手数料)」を利益としています。
では、STP口座の特徴とはどのようなものがあるのでしょうか。
Good①レバレッジが高い
STP取引では、レバレッジが制限されがちなECN口座に比べてレバレッジが高く設定されています。国内FXの最大25倍と比較しても1,000倍や5,000倍など、規格外のレバレッジにより大きな利益を得られる可能性があります。
Good②取引手数料が無い
STP取引では、取引手数料は必要ありません。ただし、その代わりにスプレッドが広くなる傾向にあります。
Bad①板情報を見る事ができない
STP取引では、レート毎に入っている注文数が分かる「板情報」を見ることができません。ECN口座で取引するトレーダーは板情報もトレードの指標にしている為、情報量がひとつ少ない状態でトレードをしている事になります。
Bad②スプレッドが広い
STP取引では、取引手数料が無いかわりにスプレッドが広くなりがちです。短時間で売買を繰り返すスキャルピングのようなトレードスタイルの方は、トレードをすればするほど取引コストが嵩んでいきます。
「ECN口座」とは
ECN口座とは、”Electronic Communications Network”の略で、ECN取引ができる口座のことです。
ECN取引とは、インターネットを利用した商品の取引を中立的な立場で運営する「電子取引所(でんしとりひきじょ)」にて売買の注文を行う取引の方法です。
FX業者はSTP取引のマークアップ手数料のような上乗せはせずに、トレーダーが支払う取引手数料を受け取り利益としています。
では、ECN口座の特徴とはどのようなものがあるのでしょうか。
Good①約定拒否がない
ECN取引では、電子取引所が売り手と買い手を結びつけて自動的に売買を行ってくれるため、約定拒否がありません。
また、電子取引所が自動的に売買を成立させるため、約定スピードも圧倒的に早くなっています。
Good②板情報を見る事ができる
ECN取引では、レート毎に入っている注文数が分かる「板情報」を確認することができます。これによりトレンドの予想を立てたり、エントリーのタイミングや決済のタイミングを調整することで優位性のあるトレードが可能になります。
Good③取引コストが安い
ECN取引では、「取引手数料」が発生しますが、スプレッドが圧倒的に狭くなっている為、スプレッドが広い口座で取引をするよりも取引コストを安く抑えられる場合があります。短時間で売買を繰り返すスキャルピングにも向いています。
Bad①レバレッジが低い
ECN取引では、取引手数料がFX業者の利益となります。トレーダーにできるだけ長く、たくさんトレードをしてもらう為、ギャンブルトレードになりがちな超ハイレバレッジが出来ないようレバレッジが低く制限されている事が多いです。
Bad②取引手数料が発生する
ECN取引では、取引を行う度に手数料が発生します。ただスプレッドは狭い場合がほとんどのため、手数料がない口座で取引をするよりも取引コストを抑えられる場合があります。
まとめ
「STP口座」と「ECN口座」にはそれぞれメリット・デメリットがあります。レバレッジの制限があったり、取引手数料が発生したりと様々な違いがあるため、自分のトレードスタイルに合わせて選択する事が大切です。多くの業者では複数口座の開設が可能ですので、初心者の方はどちらの口座タイプも試してみるのもおすすめです。