
2022年の春頃から急激な円安が進んでおり、ニュースなどで円安の報道を聴いている方も多いと思います。10月20日には32年振りの安値となる1ドル=151円90銭台にまで下落しました。実はこの半年ほどの円安の流れは「簡単に稼げる相場」と言われており、この円安トレンドに乗って多くの利益をあげたトレーダーも多くいるようです。
ここでは円安相場の特徴について紹介しながら、円安で稼ぐ方法と注意する点をお伝えします。
円安とは

円安とは、円の価値が以前と比べて安くなっていることを意味しています。
例えば1ドル=100円の為替レートの場合、1万円をドルに両替すると100ドルになります。ところが、1ドル=125円になった場合、1万円をドルに両替すると80ドルしか貰えません。そして100ドル欲しい場合は1万2500円が必要になり、ドルの価値が上がり円の価値が下がっている為、これを【円安】と言います。
下記の表は1ドル=100円から値が動いた場合の円安・円高の違いです。
円安 | 円高 |
---|---|
ドル=125円になった | ドル=80円になった |
1ドル=100円の為替レートの場合、1万円をドルに両替すると100ドルになります。ところが1ドル=80円になった場合は、1万円をドルに両替すると125ドルも貰えます。つまりドルの価値が下がり円の価値が上がっている為、これを【円高】と言います。
どういった時に円安になるのか

円安は「円の価値がさがること」を言います。つまり為替相場で円が売られる傾向にあるという事です。ドル円ではドルが買われ円が売られる、ユーロ円ではユーロが買われ円が売られる、そういった傾向にある、という事です。
逆に円の価値が高くなれば、ドル円ではドルが売られ円が買われる、ユーロ円ではユーロが売られ円が買われる、という事になります。
2022年春頃から現在まで続く円安相場は、世界的に円の価値が低くなっていることを意味しています。
円安相場のここに注意!

円安相場が続く時は日本銀行(いわゆる日銀)の為替介入に注意が必要です。
「日銀の介入」とは、急激に円安が進む相場を好まない日本銀行が大量の円買いを実行し、為替レートに介入をしてくる事を言います。
前回の介入は2022年9月22日、1ドル=145円後半にまで下落していた円が、日銀の介入を受けて円高ドル安が進み、140円台前半まで急上昇しました。日銀はこの介入の事実を公表しています。
しかし日銀の介入もむなしく、その後も円安は進みました。
そして一ヶ月後の2022年10月21日には、介入の事実を明らかにしない、いわゆる「覆面介入」があったと見られています。この日の23時半頃、1ドル=151円90銭台にまで下落していた円が、なんと2時間で7円以上変動し、144円台半ばまで急上昇したのです。
日銀が介入しても止まらない円安
急激な円安を阻止しようと大量の円買いで介入する日本銀行。介入で為替レートは異常なまでの急騰を見せますが、しばらくするとまた円安を更新してしまいます。なぜ円安は止まらないのでしょうか?
それは、単純に「円を買う理由がない」からです。ドル円の場合、アメリカの政策金利はどんどん上がっているのでドルが買われる傾向にあります。一方で日本の政策金利は変わらずマイナス金利を維持しているため、円が売られる傾向にあります。
この金利差を狙ったスワップポイントで稼ぎたいトレーダーや、日本円の価値が低いとみた世界中のトレーダーがドルを買い続けているのです。ドルが買われ円が売られているので、ドル円はどんどん円安が進みます。日本が政策金利の利上げなどをしない限り、円安相場は続くと見られています。
円安に終わりはあるのか
世界各国では利上げが続く中、日本の動向に注目が集まっていますが、日銀総裁の黒田氏が辞任しない限りは低金利政策が続くと言われています。逆に黒田氏が退任し、総裁が変わった場合利上げの動きを見せる可能性は十分にあります。
「円安で稼ぐなら、黒田氏が現役のうちがおすすめ」とネットでも噂されています。
いずれにしてもドル円での円安が進んでいる要因として、「ドルの需要が高まり、円の需要が低くなっている」という事を頭に入れておきましょう。金利差が大きくなればなるほど、この傾向は続くでしょう。
円安相場で儲かるトレードのやり方

では、そんな円安相場で稼ぐにはどうすればいいのでしょうか?以下3つのポイントを抑えておきましょう。
- 買いでエントリーすること
- 日銀の介入を警戒しておくこと
- 利確および損切り設定をしておくこと
それでは順番に見ていきましょう。
買いでエントリーすること
トレードの基本はロング(買い)でのエントリーです。売りから入る事ができるのがFXの良い所ではありますが、初心者の方はなるべくトレンドに沿ってロング(買い)でエントリーをすることをおすすめします。
「○○円まで上がったら反発するから売りで入ろう!」などと反転を予想して売りでエントリーをしたものの、トレンドの勢いが強くそのまま上がり続け、ロスカットされてしまうケースも決して珍しくありません。落ちる時は一気に落ちる事もあるのが相場ですので、損切り設定は予めしておきましょう。
また、日銀の介入で急落した後に買いで入る手法もありです。これまで日銀の介入がありましたが、どちらも介入後に再び円安の動きを見せており、日本の金利政策が変わらない限りこの動きは続くものと見られています。日銀の介入を押し目と見て、下がった所で買うと大きな利益を得られる可能性が高まります。
日銀の介入を警戒しておくこと
上で述べたように、日本銀行が為替相場に介入してくるケースがあります。実際に介入があった直後はドル円が5~6円ほど一気に変動し、損切り設定をしていない方はロスカットもしくはマージンコール付近までいってしまったのではないでしょうか。
しかし、急落したドル円もまだまだ円売りの勢いは衰えず、日銀の介入もむなしくV字回復しており、さらに上がる気配を見せています。日本の金利政策がこれまでと同じ道を辿るのであればしばらく円安は続くものと見られています。
日銀の介入を警戒し、また一気に急落する可能性も十分にありますので逆指値注文(損切り注文)は必ず入れておきましょう。
前回の介入が145円付近、今回の介入が150円付近という事を踏まえると、キリのいい数字が介入の可能性が高い傾向にあります。もし今後も円安が続くようであれば、次の介入は155円かもしれません。いずれにしても相場の動向はしっかりと追っておきましょう。
利確および損切り設定をしておくこと
このまま円安相場が続けば大きな利益を得られる可能性があります。一部では200円に到達するのではとの意見も聞かれます。ただし、あくまでも可能性の話であり、トレンドが変換する可能性も十分にありますので日本銀行の動向や世界情勢などは日々チェックする癖をつけると良いでしょう。
そして急激なレート変動に合っても利益を失わないよう、損切り注文は必ず入れておきましょう。
まとめ
ドル円の為替レートでも円安が続く現在の相場は、大きなドル買いのトレンドが発生していると言えます。売りから入る事もできるFXですが、金利差を考えるとロング(ドル買い)から入るのがおすすめです。トレンドに乗れば大きな利益を上げられますが、キリのいい価格(145円、150円など)では日銀の介入が入る可能性も考慮しておきましょう。急な価格の騰落を防ぐために、逆指値注文などを予め設定しておくことも大切です。